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京都地方裁判所 昭和60年(わ)982号 判決 1986年2月17日

本籍

京都市西京区上桂西居町一二番地

住居

同市同区大原野上里男鹿町六番地の一

不動産業

中村源治郎

昭和五年一一月二三日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は検察官西村正男出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役三月及び罰金二〇〇万円を処する。

右罰金を完納することができないときは、金四〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、村上治、有田峻宏、全日本同和会京都府・市連合会会長鈴木元動丸、同連合会事務局長長谷部純夫、同連合会事務局次長渡守秀治、同連合会南支部長藤本勝英及び元同連合会乙訓支部長今井正義らと共謀の上、右村上がその所有する京都市西京区大原野北春日町七七三番地の田を昭和五九年一二月二二日七、五〇〇万円で売却譲渡したことに関して右譲渡にかかる所得税を免れようと企て、右村上の実際の五九年分分離課税の長期譲渡所得金額は六、五一七万七、〇〇〇円で、これに対する所得税額は一、四六六万一、〇〇〇円であるにもかかわらず、株式会社ワールドが有限会社同和産業(代表取締役鈴木元動丸)から九、〇〇〇万円の借入れをし、その債務について、右村上が連帯保証人となり、右ワールドが破産したことから、右連帯保証債務を履行するために右不動産を譲渡し、その譲渡収入で同年一二月二八日に六、二〇〇万円履行したが、右ワールドに対する求償不能により同額の損害を被った旨仮装するなどした上、同六〇年三月一二日、同市右京区西院上花田町一〇番地の一所在所轄右京税務署において、同署長に対し、右村上の五九年分分離課税の長期譲渡所得金額は六一七万七、〇〇〇円で、これに対する所得税額は九七万四、二〇〇円である(ただし申告書には扶養控除の適用誤りのため所得税は九〇万八、二〇〇円と記載)旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右の正規の所得税額一、四六六万一、〇〇〇円との差額一、三六八万六、八〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書及び証明書謄本

一  廣田富司(原本)阪本節子、村上浩、海老名昭宏、林博、有田峻宏、今井正義、藤本勝英、鈴木元動丸、長谷部純夫の検察官に対する供述調書謄本

(法令の適用)

判示事実

所得税法二三八条 刑法六〇条(懲役と罰金を併科する)

労役場留置 刑法一八条

執行猶予 懲役刑につき刑法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 西村清治)

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